安心・安全な食品提供のために私たちができること
お客様の健康を守ることは、私たちが食品を提供するうえで最も大切な使命です。製品の品質を維持するには、賞味期限の設定、原材料の管理、製造環境の衛生チェックが欠かせません。
もしも食中毒が発生すれば、信用を大きく損なうだけでなく、お客様の生活や健康を脅かす結果にもつながります。
では、私たちは何をすべきでしょうか?──その答えは「食中毒の正しい理解」と「具体的な予防策」にあります。
この記事でわかること
- 食中毒の原因と種類
- 代表的な症状
- 日常で実践できる予防策
食中毒予防の3原則

厚生労働省が掲げる「食中毒予防の3原則」は、衛生管理の基本です。
- 菌をつけない(清潔・洗浄)
- 菌を増やさない(低温保存・早めの提供)
- 菌をやっつける(加熱・殺菌)
この原則はHACCPの実践にも直結しています。
食中毒の主な6分類とその対策
1. 細菌性食中毒
高温多湿で菌が繁殖しやすく、夏場に多発します。
- 原因菌:サルモネラ、腸炎ビブリオ、O157など
- 症状:下痢、嘔吐、腹痛、発熱
- 対策:原材料・器具の洗浄、冷蔵保存、加熱調理
2. ウイルス性食中毒
人の手や吐瀉物などからの感染が多く、冬場に多発します。
- 原因ウイルス:ノロウイルス、A型肝炎ウイルス
- 症状:嘔吐、下痢、発熱(潜伏期1~2日)
- 対策:従業員の健康チェック、体調不良時は作業中止、適切な嘔吐物処理
3. 寄生虫による食中毒

主に魚介類や野菜に潜む寄生虫が原因です。
- 原因寄生虫:アニサキス、回虫、旋尾線虫など
- 症状:腹痛、下痢、嘔吐
- 対策:加熱処理、冷凍処理、野菜の洗浄
4. 自然毒による食中毒

動植物に含まれる毒が原因です。特に誤食に注意が必要です。
- 例:スイセン、ジャガイモの芽、バイケイソウなど
- 症状:嘔吐、呼吸困難、神経症状、重症例では死亡
- 対策:知識のない野草の摂取を避ける、毒性のある部位を除去
5. 化学物質による食中毒
ヒ素や鉛、水銀などの有害物質が食品に混入したことで起こります。
- 原因物質:ヒスタミン、鉛、スズ、放射性物質など
- 症状:顔の紅潮、頭痛、蕁麻疹(ヒスタミン中毒)
- 対策:再冷凍の回避、傷んだ食材の使用禁止、流通管理の徹底
6. カビ毒(マイコトキシン)による食中毒

カビが生成する毒素は加熱でも消えず、長期摂取で健康被害をもたらすことも。
- 症状:発がん性のリスク(長期摂取時)
- 対策:カビが生えた食品は廃棄する。表面だけ除去するのはNG。
まとめ|HACCPを通じた安心・安全の仕組みづくり
食品を扱う私たちにとって、食中毒を「知らなかった」では済まされません。
HACCPの考え方を取り入れて、調理や保存のルールを明確にし、日々の管理を「見える化」することで、安心・安全な商品を届け続けることができます。
このブログを通じて、私たちの取り組みをお客様にも共有し、信頼される食品づくりを目指していきましょう。


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