【高血圧】ショウガは血圧を下げる食べ物なのか【考察】

年齢を重ねて行くと血圧が高くなる傾向があります。寒いところで血圧は高くなるのは体の機能として抹消まで血液を送り届けようと心臓が賢明に働いている証拠でもあります。

ではなぜ歳を取ると血圧が高くなるのでしょうか。そして医師は何を基準に降圧剤を処方するのでしょうか。

そこで、ショウガの効果には血圧を抑える働きがあるという論文を見つけたのでメタ分析してみることにしました。

この記事では

  • 血圧が高くなる原因と降圧剤の効果を解説
  • ショウガがどのように体に作用し血圧を下げるのか

を解説しています。ご興味のある方はお読みください。

血圧について

人間は心臓の働きによって血液を抹消まで循環させ体温の調節や栄養を各細胞に送り届けます。血液が細胞に行き届かない場合には栄養が届かないことになり細胞の死を意味します。血液は生きて行く上で大変重要な成分であることがわかります。

血圧が上がるメカニズム

ではなぜ血圧が上がるのかということを考える前に、血圧が上がることはなのかを考えてみます。

体は生き続けるために様々な器官が休みなく働いています。例外なく心臓も休みなく規則的に働いています。

その心臓が意味もなくわざわざ血圧を上げるためだけに働くことは考えづらいでしょう。心臓が賢明に働いて体の細部にまで血液を届けようと血圧をあげることには訳があります。

加齢により柔軟性のある血管が加齢による経年劣化で固くなってしまいます。心臓の拍動によって送り出された血液は本来は柔軟性のある柔らかい血管を波打つように駆け抜け、全身にくま無く行き渡らせています。

ですが血管が固くなると水道管と一緒で水源からある程度の圧をかけないと遠くの水道管まで届かなくなります。これは人間の体にも同じようなことが起こっていると想定されます。

血圧が上がることは生きるためであり決してではないと言えると思います。

降圧剤の効果とリスク

何かしらの体の不調で病院に行くと血液検査と血圧の測定をします。血液の中の状態や血圧を診て病の判断をするためのひとつの判断材料になるからだと考えられます。

血圧が基準値以上の数値だった場合に医師から降圧剤が処方されることが予測されます。私はそもそも基準値は統計に基づいたものであり、あくまで目安であるという考えをもっています。

人によって体格、性別、環境、生活習慣は様々であるにも関わらず一律で基準値を越えたら薬の処方とは容認はできません。

例外はもちろんあると思いますが、異常な血圧の数値で生命の危機にある場合には降圧剤の処方や薬物の投与は仕方ないことだと考えます。

健康を維持させていくものはではなく、日々の過ごし方の積み重ねと考えます。

現在では降圧利尿薬β遮断薬カルシウム拮抗薬などの降圧薬が開発されてきて、 血圧を下げることができるようになると、高血圧だけで起こる病気ではなく他の生活習慣病との相互作用で病気が発症する動脈硬化性疾患などが疾患ターゲットとなるので比較的低い血圧でもリスクとなるでしょう。

したがって、相対的に高血圧の基準値が下がってきたと考えられる。

あなたに質問

高血圧は病気ですか、反対に低血圧は病気だと思いますか。今一度、自分の体を見つめ直すことで脱薬を目指すことができると思います。

成人における血圧値の分類

血圧の基準はどこが決めているのでしょうか。特定非営利活動法人の日本高血圧学会という団体が決めるようです。

数年ごとの見直しがあり、直近では2019年4月25日に発行されたものが最新の高血圧治療ガイドライン2019である。下の図はそのガイドラインを参考にしたものであります。

分類診察室血圧家庭血圧
収縮期血圧   拡張期血圧収縮期血圧   拡張期血圧
正常血圧<120 かつ <80<115 かつ <75
正常高値血圧120-129 かつ <80115-124 かつ <75
高値血圧130-139 かつ/または 80-89125-134 かつ/または 75-84
I度高血圧140-159 かつ/または 90-99135-144 かつ/または 85-89
II度高血圧160-179 かつ/または 100-109145-159 かつ/または 90-99
III度高血圧≧180 かつ/または ≧110≧160 かつ/または ≧100
(孤立性)収縮期高血圧≧140 かつ <90≧135 かつ <85
※赤字部分が高血圧という位置付け

高血圧診断基準は上の図の通りで診察室血圧の収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上の場合を高血圧と診断する。また自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準が用いられる。

※私が鍼灸の学生時に学んだ時は高血圧の呼び名が違い、I度高血圧を軽度、II度高血圧を中等度、III度高血圧を重度と学んでいました。

基準の選定

高血圧関連ガイドラインは高血圧の基準をどのようにして決めているのでしょうか。

日本高血圧学会は,数多くの疫学調査より、死亡率や脳卒中・心血管病などの罹患率リスクとして予後が悪化する血圧の変曲点を評価しています。

血圧が高いと脳卒中などの病気になりやすいから「血圧が高い人たちを高血圧と定義する」というコンセプトは変わっていません。

変わったのは対象となる人々の生活習慣および降圧薬の改善による血圧そのものの低下とそれによる対象疾患です。

ショウガの血圧に対する効果

ショウガに血圧の上昇を抑える効果があるのならば、ショウガのエキスが体にとってどういった働きによるもので上昇を抑えるのか、その変化における体のメカニズムを知りたいと思います。

そこで読んだ論文は血圧の高いラットを使って研究した論文で、人工的に※1)高血圧にしたラットを使用した論文でした。毎回思うのですが論文の内容を理解するのが難しい。※1)腎血管性高血圧とは片側もしくは両側の腎動脈またはその分枝の部分または完全閉塞により血圧が上昇する病態。

バニロイドは非選択性陽イオンチャネルの Transient Receptor Potential Channel Vanilloid Subfamily Member-1(TRPV1)を活性化し、Calcitonin Gene-Related Peptide (CGRP)やSubstance P (SP)を放出すること、endothelial Nitric Oxide Synthase (eNOS)を活性化して Nitric Oxide (NOの産生を増加させることなどの報告から、TRPV1 が血管弛緩に影響することが示唆された。
<結論>
腎血管性高血圧モデルラットにおいて、ショウガ抽出物経口摂取は血圧上昇を抑制及び低下させ血管壁肥厚を抑制する可能性が示唆された。

>>腎血管性高血圧モデルラットにおけるショウガ抽出物経口摂取の血圧及び血管壁厚への影響 髙橋千尋

血管が弛緩して血管が拡張すれば相対的に血圧は下がります。ショウガエキスがNOという物質の産生を促し、そのNOが血管の弛緩に関与しているようです。

NOの機能

一酸化窒素(nitric oxide, NO)は生体内で合成され、血管拡張作用血小板凝集抑制作用など血栓症や止血と関わりの深い生理作用を持ち、その不足は血管の内皮機能の低下や高血圧に関係します。

NOの産生経路は亜酸化窒素の分解による経路も存在するため、ニトログリセリン・亜硝酸アミル・一硝酸イソソルビドなどの亜硝酸誘導体がNOに変化して心臓の冠動脈を拡張させて狭心症などの治療に用いられます。

まとめ

ショウガエキスが血管内皮細胞を刺激しNOが産生されると産生されたNOは血管を弛緩させ血管を拡張させるので血圧が低下するメカニズムようです。

ショウガの摂取が血圧の上昇を抑える効果があることが実証された論文でしたがショウガを摂れば全ての血圧の問題が解決することはありません。

あなたの血圧が上がる原因を根本的に改善するのなら日々の生活習慣の改善が必要であることは間違いないでしょう。

健康になりたければ日々の生活に運動は必ずに取り入れるようにしてください。

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