【ショウガの成分】ショウガの成分による3つの効果についてのメタ分析

料理は科学である。

素材に対して適正な調味量や火加減を加えることにより、味のバランスや素材の良さを最大限に引き出してくれるのではないかと思っています。

私が若い頃に地元のちゃんこ料理でアルバイトしていた時の話をします。営業終了後にまかない料理が出るのですが、その日は元洋食のシェフが作ってくれた今でも忘れることができないサバ味噌ちゃんこでした。当然店のメニューにはない、まかないオリジナル料理が今思い返してみても私にとって記憶に残るベストワンでした。

臭みのない鯖の風味と野菜や味噌の味のバランスが本当に絶妙で、口に入れた途端に心から初めて「美味しい」と思いました。しばらくして、またそのまかない料理が食べたくなり、そのシェフにお願いして作ってもらったのですが、2回目はごく普通のサバ味噌ちゃんこ鍋でした。

私はこの時に思いました、全ての条件が絶妙に噛み合った時に奇跡は起きるのではないのでしょうか。つまり絶妙な全ての条件とは、素材の状態(鮮度)、素材の量、調理時間、調理温度、調味料の量だと思います。そこに更にパッションがあるといいかもしれません。

ただ単に美味しいものを作ればいいのでしょうか。奇跡を起こすにはショウガの全てを知らないといけないと感じます。

そして、ネットや巷で言われているショウガの効果や効能は本当なのでしょうか。

Show 姜太郎
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論文を読み解いて理解を深めていこうと思います

この記事では

  • ショウガに含まれている成分

理解することができます。ご興味がありましたら読み進めていただけると幸いです。

ショウガに含まれる成分とその比率

ショウガにはどのような成分が含まれているのでしょうか。そしてその成分は人の体にとってどのような働きがあるのでしょうか。

まずはショウガに含まれる成分、含有量、濃度比率について考えていきます。

ショウガの成分

ショウガの根に含まれる成分はジンゲロールショウガオールが主成分です。

ショウガの中には 6-ジンゲロールが最も多く含まれており、次いで 8-及び 10-ジンゲロールが多く含まれている。ショウガオールは新鮮な根茎にはほとんど存在せず、ジンゲロールから乾燥等によって二次的に生成すると考えられている。

引用元食品中の健康機能性成分の分析法マニュアル
Show 姜太郎
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生にはショウガオールの成分は、ほとんどないようです

ショウガの成分の含有量

日本栄養・食料学会誌を参考にした「乾燥ショウガ」「生ショウガ」「煮沸ショウガ」に含まれるジンゲロールとショウガオールの含有量です。

表を見ると「乾燥ショウガ」の含有量が1番多いことがわかります。

Show 姜太郎
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加熱により成分の量が増えるようです

ショウガの濃度比

 生ショウガ:本研究の結果でも生ショウガの辛味成分の大半は6−ジンゲロールであり、その濃度は 19.93μg/mL(生ショウガ換算 664.3μg/gであった6-ショウガオールも0.42μg/mL (生ショウガ換算14μg/g )と僅かだが確認された。両化合物の濃度比は98:2 であった。

茹で加熱:生ショウガでのショウガオールは0.42μg/mL加熱60分後には1.39μg/mLへ約3.3倍になった。両化合物の存在比は、それぞれ 93:7となった。

引用元ショウガ中の6-ジンゲロールの加熱調理による変化

生のショウガの時の比率はジンゲロールとショウガオールでは98:2の割合で、辛味の主成分でもあるジンゲロールは加熱することによりショウガオールに変化します。

増加した量は3.3倍になり、比率は93:7となります。

小まとめ

生のショウガに含まれる主な成分はジンゲロールとショウガオールでその成分の比率は98:2ですが、加熱することによってその比率が93:7に変化することがわかりました。

ショウガの3つの作用

ショウガには3つの働き(抗酸化作用・抗血栓作用・抗潰瘍作用)があると言われています。

ショウガの研究者が少ないのでしょうか。興味深い論文は少なかったですが、その少ない論文の中からメタ分析してみました。

酸化について

私を含め一般的に酸化という知識は鉄を放っておくと赤くなりサビが発生することはご存知だと思います。

鉄が変化し出来たサビは鉄と酸素が結びついた科学反応です。ですが鉄と酸素が結びつく反応によりサビが発生するのは間違いがありません。

そしてそのサビがあなたの体の中で起こっているようです。

体は呼吸により体内に酸素を取り込んで活動のエネルギーを作り出します。取り込んだ酸素の2~3%は使用されず体内で活性酸素という物質に変化し、その活性酸素が体内で反応しカラダをサビさせると言われています。

その体内のサビをカラダの酸化と呼ぶことにします。

活性酸素について詳しく書いてあります。>>外部リンク活性酸素と尿酸との深い関係

ご興味ありましたらどうぞ。

酸化によるリスク

体は大気中の酸素を利用してエネルギーを作り出します。

酸素を利用すると同時に活性酸素は常に体内で発生しています。この活性酸素が過剰に増えることで体の酸化の原因になり老化症状を促進したり、がんや糖尿病、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因にもなります。

大気中には、約20%の酸素が含まれており、生物はこの酸素を利用し生命活動を維持しています。酸素は、外部からの様々な刺激を受け、反応性の高い活性酸素に変化します。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。そのため生体内には、活性酸素の傷害から生体を防御する抗酸化防御機構が備わっていますが、活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態を酸化ストレスといいます。

引用元:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

活性酸素とは

活性酸素の増えすぎは体に有害であり重篤な病の原因になると言われています。

体にとって精神的、肉体的に生活できれば健康であると考えます。その健康を損なうのひとつの原因が活性酸素でしょう。

私たちが呼吸する酸素の大半は細胞に届けられ、ミトコンドリアでエネルギーに還元され消費されます。本来の活性酸素は殺菌力が強いので、体内では細菌やウイルスを撃退する役目をしています。

だが活性酸素が増えすぎると正常な細胞や遺伝子も攻撃してしまい体調の不調からやがて重篤な病になるという2つの側面があるので注意が必要です。

活性酸素が増える原因

では活性酸素が増えてしまう要因(内的要因・外的要因)とは何でしょうか。

内的要因
  1. 精神的ストレス
  2. 喫煙
  3. 睡眠不足
  4. 飲酒
  5. 加齢 など
外的要因
  1. 紫外線
  2. 放射線
  3. 大気汚染 など

上記の要因が活性酸素を増殖させて、体を酸化し様々な病気や老化のリスクになると考えます。

抗酸化物質とは活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質のこと。活性酸素は微量であれば人体に有用な働きをするが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こす。

引用元:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

抗酸化物質

抗酸化物質には体内で合成される体内合成抗酸化物質のほかに、植物由来の抗酸化物質としてポリフェノールカロテノイドがあります。

ポリフェノールはブルーベリー(アントシアニン)や、大豆(イソフラボンやサポニン)、ゴマ(セサミノール)、そば(ルチン)や、緑茶(カテキン)と紅茶・ウーロン茶(タンニン)など。

カロテノイドは人参(β-カロテン)やトマト(リコピン)など多に含まれる。他に緑黄色野菜(ルテイン)やとうもろこし(ゼアキサンチン)、鮭(アスタキサンチン)など。

ショウガの抗酸化作用

果たしてショウガの成分による抗酸化はあるのだろうか。

抗血栓作用

血栓はなぜできるのか、それを調べる必要があります。

血栓とは血の塊であり正常で健康状態であれば血栓は必要がありません。

血栓ができる原因として、もともと血が固まりやすい体質であることや血管壁に傷ができ修復作用により血液が凝固するためである事や体の中の水分量が減り血液の粘度があがり血栓ができやすくなることが考えられる。

Show 姜太郎
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ショウガの成分がどういう風に血栓の生成を抑制するのか論文を読んでいこう!

〜一部抜粋〜
ショウガ科などにも血栓の形成阻害、即ち抗血小板活性を有する物質が存在することが次々と明らかにされてきた。またこれらの物質が抗血小板活性のみではなく、各種のリポキシゲナーゼ阻害活性することなども確認されている。

血小板や白血球においてプロスタグランジンの生合成を阻害したり、好中球や好塩球における種々のリポキシゲナーゼの阻害活性を示す物質の存在が指摘されるようになった。ヒトの血小板におけるPGエンドペルオキシドシンテターゼ(シクロオキシゲナーゼを含む)の阻害はプロスタグランジンの生合成を抑制し、血栓形成の防止や、抗炎症作用にもつながっている。

川岸 舜朗,香辛料中に含まれる抗血小板因子,発行日: 1991/05/15,公開日: 2010/01/20

血小板は血液を凝固させる働きがあり血管壁が損傷すると血液が組織内に流失する。流出を阻止するために血液を凝固させることが体の生理作用である。組織の損傷により血小板が損傷部位に集結し血液を凝固させる。

抗潰瘍作用

作成中

まとめ

生姜の辛味成分がホルモンを活性化させ血栓ができるまでの過程を阻害し結果、血栓防止になっている。血栓の防止が期待できるなら脳梗塞などの血栓による血流障害に対して有効であると考える。

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