【低温調理】解剖学からみる簡単なローストビーフの作り方
ローストビーフを柔らかく食べるためには、どうすればいいのだろう?
焼きすぎた固い肉を食べるのは、苦手です。
私は肉を焼いて食べる時に、素材によって(豚肉や鶏肉)はしっかり中まで火を通しますが、理想は肉の中心がピンク(火が入っていない)の状態で外に出し、余熱で中まで火を通して柔らかく食べたいタイプです。
火を入れるベストな状態がわかれば、最低限の加熱で済むことになるので、自分好みの柔らかい肉の状態で食べることができると思います。
この記事は
- 低温調理に興味があるけど簡単に操作ができるのか不安なひと
- 低温調理器を導入したいけど調べるのが面倒なひと
- ローストビーフをやわらかく食べたいひと
- 筋肉が好きなひと
低温調理は、食中毒の恐れがある料理法なので調理は自己責任でお願いいたします
実際の完成品はこちら↓
肉を熱で加工し、様々なスパイスで仕上げ、美味しくいただくことで私たちの栄養になっています。
ここからは、筋肉を掘り下げて理解を深める話になりますので、この話に興味がない方は目次で >>ジャンプ実際にローストビーフを作ってみる まで飛ばしてください。
そもそも肉ってなんだろう
私たちが食べている肉とは、一般的に筋肉と呼ばれている部位です。
筋肉とは
筋肉とは、動物の持つ組織のひとつで、収縮することにより力を発生させる、代表的な運動器官である。動物の運動は、主として筋肉によってもたらされる。食用に供する食肉は主に筋肉であり、脊椎動物の骨格筋は湿重量の約20%をタンパク質が占め、主にこれを栄養として摂取するために食される。(抜粋)
>>Wikipedia
肉を食べるということは、タンパク質を摂るということになりますね
筋肉の構造とはたらき
筋肉の構造は単純です。筋肉の線維は束になっています。
筋肉は線維状になっています。細かく見ていきます
筋肉を細部まで見ていくとアクチンフィラメントとミオシンフィラメントというもので構成されています。
それらがお互いに、はたらくことによって筋肉の収縮運動が行われます。
筋肉の作りと働きが理解できたと思います
肉が固くなる理由はタンパク質が変化するから
筋肉はタンパク質で出来ていることは前述しましたが、タンパク質は熱を加えると固まる性質があります。タンパク質の変性といいます。
卵をフライパンで焼くと白くなって固まります
そのタンパク質の固まる性質を利用して温度と時間の管理をすれば、最低限の加熱時間で最大の効果を出せると私は確信しました。
温度によるタンパク質(肉)の変化
温度によるタンパク質の変化について、まとめてみました。
- 50度ミオシン(筋線維)が変性を開始する
- 56度コラーゲン(タンパク質)が変性を開始する
- 60度肉の色が変化する
- 66度アクチン(筋繊維)が変性する
(肉汁の流出)
温度を上げていくと、段階的に肉に変化が起きていくことがわかりますね
加熱時間を決める
肉を50度以上66度未満で管理することは決定しました。
素材の肉は決まった形はなく、大きさも色々です。
生焼けも焼きすぎも嫌なので、肉にどのくらいの加熱時間をかけないといけないのかを考えてみたいと思います。
参考にしたブログ
加熱時間に関しては、実際に検証を重ねないと数値が出ないので、低温調理をロジックで詳しく書かれているブログを参考にしました。
>>オススメNickさんのブログTheory is the best sauce.
参考にした本
本は見たい時にサッと見て、すぐに作業に取り掛かれるのがいいところだと思います。この本は画像点数も多く、とても参考になったので紹介しておきます。
これで加熱時間を理解したので実際に作ってみたいと思います
実際にローストビーフを作ってみる
肉の下準備
本日の素材は、国産牛のもも肉です。まず重さを正確に測ります。重さは597グラムです。
下味は、シンプルに
- 塩(適量)
- 黒コショウ(適量)
- ローズマリー(1本)
牛もも肉をジップロックの中にいれて、付属のスパイスをで下味をつけました。
低温調理器の操作の仕方
設定方法は簡単です。本体の横にあるダイヤルを回して、温度と時間を決めてスタートを押すだけです。
左の写真にあるダイヤルを操作し、右の写真のフロント画面で温度と時間を設定します。
今回は、温度を60度に設定し、時間を3時間にしています。(写真ではまだ設定温度まで上がっていない状態です)設定温度に上がったら本体アラームが鳴って教えてくれるので、肉を入れます。
アラームが鳴った時点で時間が減ってきます。設定した時間が終了すると、再度本体のアラームが鳴り終了します。
肉をお湯に入れます
低温調理器をセットする、入れ物はなんでも大丈夫です。
専用の入れ物も売っていますが、私はAmazonで購入した透明なコンテナを使っています。もちろん大きめの鍋でも十分です。
肉を入れたら放っておくだけです!
表面を焼いて出来上がり
出来上がった肉の表面をフライパンで焼きます。
切って盛り付けして完成です。
肉の中が、薄ピンクの仕上がりで柔らかく出来上がったと思います。
切った肉の断面です。いい色に仕上がってます。
低温調理器の紹介
以前に低温調理を知って、衝動的に低温調理器を買ってしまったのですが、使えば使うほど購入して良かったと思う商品でした。
肉に限らず、魚や野菜も低温で処理することによって美味しさが引き立つことがわかりましたので、私は低温調理器を普段使いからお勧めしています。
私の購入する上での判断基準は
- 安すぎず、高すぎず、1万円以内で購入できるもの
- 調整ボタンの操作や掃除のメンテナンスがしやすいこと
- 商品レビューの評価が低い投稿で、ありえない内容でないこと
最後の基準は割と大事にしています
◆3つを基準に購入した商品がこちら◆
◆高品質で有名な商品◆
とてもおしゃれでスタイリッシュなデザインです!高価ですが欲しい商品です。
ローストビーフに合うソースの作り方
ローストビーフには、グレービーソースがよく似合う。誰が言ったか知りませんが…
我が家のローストビーフのソースもグレービーソースに似ているのですが、アレンジを加えているそうなのでこちらでご紹介しておきます。
ポン酢を入れるのがポイントだと言っていました。
作り方手順
- オリーブオイルをフライパンに適量敷きます
- すり下ろしたものを入れます(玉ねぎ・ニンニク・ジンジャーシロップ)
- コンロの火をつけて、弱火でじっくり炒めます
- フツフツとしてきたら、残りの調味料を入れて、5分くらい火を通します
- 低温調理で出た肉汁を好みの量入れます(入れすぎると油っぽくなる)
- 少し煮詰めたら出来上がりです
西洋わさびがない場合には、わさびで十分ですよね。WASABI!BANZAI!
実は卵も入れて温泉卵もできます
作り方は参考にした本に載っています。
設定温度が65度で加熱時間が1時間なのですが、今回のローストビーフの温度設定が60度でしたが、大丈夫であろうと1時間で引き上げてみると少し柔らか過ぎた感想でした。
まとめ
肉の加熱温度は50度から65度の範囲が理想的なのは、科学的に証明されているので疑う余地はありません。
あとは、加熱時間の設定が難しいところです。
肉の中心が設定した温度に到達してから、何時間加熱するかという話なので、自ずと大きさや素材の違いで時間は変わってきます。2時間30分から4時間はかかるので、食事の時間に合わせながら仕込みを始めてくださいね。
ご自身で楽しみながらデータをつけて料理するか、私のおすすめ記事を読んで作るかは あなた の自由でございます。
それでは、楽しい家メシを目指してくださいね!